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FXのロスカットの計算方法を解説!FXを始める前には必ず覚えよう

Analyst Team trader
Updated 14 Aug 2020

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FXロスカット

FX取引をするにあたって、絶対に理解しておく必要があるのが「ロスカット」です。

ロスカットを理解しておくことで、最悪の場合いくらの損失になるのかと、決済されないためにはどのタイミングでお金を用意すればよいのか、ということを知ることができます。

ロスカットがあるためにFXの損失を最小限に留めることができる一方、ロスカットの計算方法を理解していないために、「気づいたら証拠金を失っていた」という可能性もありえます。

この記事ではロスカットの計算方法と、ロスカットの未然に防ぐ方法について解説していきます。

「レートがいくらになったらロスカットになってしまう」という計算をできるようになりましょう。

ロスカットとは

ロスカットとは、FXトレーダーの損失を一定の範囲内に留めるための安全装置です。

ロスカットがあることによってトレーダーは膨大な追加証拠金を収めるリスクから解放されますが、「もう少し待ちたい」という時にも強制的に決済され、証拠金を失ってしまうことも事実です。

まずは「ロスカットとは何なのか」ということについて理解を深めておきましょう。

ロスカットの概要について解説します。

一定以上の含み損になったら強制的に決済すること

ロスカットとは、含み損が一定以上になったら強制的に決済を行い損失を確定させてしまうことです。

含み損が大きくなりすぎると、その分高額な追証が必要になります。

FXではトレーダーが高額な追証の支払いリスクを負わないように、ロスカットというシステムを設けて、含み損が証拠金の一定以下になったら強制的に決済します。

証拠金維持率とは

ロスカットを考える上で非常に重要な指標が「証拠金維持率」です。

証拠金維持率とは「必要証拠金の何倍のお金をFX会社へ入金しているか」という基準です。

例えば、外貨を購入するために必要な証拠金が100万円で、FX会社へ200万円入金しているのであれば証拠金維持率は200万円÷100万円×100=200%ということになります。

この場合は「必要証拠金の2倍のお金をFX会社へ入金している」ということになります。

強制ロスカットになるケース

例えば、「証拠金維持率100%以下で強制ロスカット」という基準のFX会社でロスカットが起こるケースを考えてみましょう。

証拠金が100万円で、必要証拠金が70万円だった場合には、証拠金維持率は100万円÷70万円×100=143%になります。

しかし、含み損が30万円まで膨らんでしまった場合には、(証拠金100万円−含み損30万円)÷必要証拠金70万円×100=100%となります。

この場合には、「証拠金維持率が100%以下」の強制ロスカットの基準を満たすことになるので、ここで強制的に決済されます。

強制ロスカットという基準があることによって、含み損が急激に大きく膨らんだ時でも、証拠金以上の損失をすることはありません。

FX取引における安全装置だということができますが、ロスカットが発動してしまったら「損失が大きくても長期間保有したい」という長期投資をすることが不可能になります。

ロスカット基準額はFX会社によって異なる

ロスカットがどのタイミングで発動するのかという基準はFX会社によって異なります。

ほとんどのFX会社が「証拠金維持率100%以下」という条件で発動することが多いようですが、中には「証拠金維持率80%以下」というところも存在します。

自分が取引をしているFX会社がどの条件でロスカットを発動させるのかということについては事前にしっかりと把握しておきましょう。

ロスカットを避けるためには追証が必要

ロスカットを避けるためには追証が必要になります。

追証とは追加証拠金の略称で、証拠金を追加で入金することによって証拠金維持率を引き上げることができます。

例えば、純資産が100万円、必要証拠金が95万円などとなっている場合、証拠金維持率は105%と100%以下が目前です。

ここで追加証拠金を50万円入金すれば、純資産が150万円になるので証拠金維持率は158%まで引き上がります。

このように、取引を継続するためには追加証拠金を入金すればロスカットを避けることができます。

追加証拠金を用意するためには「どのレートになったらロスカットになってしまう」という計算ができなければなりません。

計算ができないと「気づいた時にはロスカットになってしまった」ということにもなりかねません。

ロスカットが発動するレートはどのように計算するのでしょうか。

ロスカットの計算方法

それではロスカットの計算方法について解説します。
ロスカットの計算方法は

  1. ロスカット基準額を計算する
  2. ロスカットされるレートを計算

この2段階によって計算することができます。
ロスカットの計算方法を分かりやすく解説していきます。

ロスカット基準額を計算

まずはロスカット基準額を計算しましょう。

ロスカット基準額とは、「純資産額がこの金額を下回ると強制ロスカットされてしまいますよ」という金額を示します。

ロスカット基準額をしっかりと把握し、純資産がロスカット基準額以下まで減らないように管理すれば、強制ロスカットされてしまうことはありません。

まずはロスカット基準額を把握し、「純資産額がどの程度になればロスカットが発動してしまうのか」ということを理解した上で投資を行うようにしましょう。

ロスカット基準額の計算方法は以下のようになっています。

ロスカット基準額 = 建玉必要証拠金 × ロスカットの基準となる証拠金維持率(%)

によって簡単に計算することができます。

例えば、必要証拠金が100万円、ロスカットの基準となる証拠金維持率が80%の場合は
100万円×80%=80万円となり、このケースでは含み損が膨らんで純資産が80万円を切ってしまったら強制ロスカットとなります。

まずは「純資産がいくらになったらロスカットになってしまうのか」ということをロスカット基準額を計算することによって把握しておきましょう。

ロスカットされるレートを計算

ロスカット基準額を把握することができたら、ロスカットされるレートがいくらになるのかを計算しましょう。

ロスカットされるレートは以下の数式で計算することができます。

(純資産額 – ロスカット基準額) ÷ 建玉数量 = A

ポジションが買いの場合:計算時のBid – A = ロスカットされるレート
ポジションが売りの場合:計算時のAsk + A = ロスカットされるレート

このように上記の数式で計算された数字を、その時のレートに加減してロスカットされるレートを計算します。

例えば純資産額が100万円、ロスカット基準額が80万円、建玉数量が20,000通貨だった場合は、(100万円−80万円)÷20,0000=10となります。
ポジションが買いで、Bidが100円だった場合は、100円-10=90円がロスカットされるレートになります。

なお、純資産額に余裕がると、さらに大きな値動きにも耐えることができます。

純資産価格が200万円、ロスカット基準額が80万円だった場合を考えてみましょう。

(200万円−80万円)÷20,000通貨=60
ポジションが買いで、Bidが100円だった場合は、100円-60=40円がロスカットされるレートになります。

米ドル/円が40円になる可能性など、基本的には考えられません。

純資産価格に余裕があると、それだけロスカットされる可能性を大きく排除することができます。

やはり、入金額に対してポジションを持ちすぎないことが非常に大切になります。

ロスカットを未然に防ぐ3つの方法

ロスカットはできる限り避けて、戦略的に投資を行なっていく必要があります。
戦略的に投資を行い、ロスカットを未然に防ぐためには以下の3つの方法が有効です。

  • 多めの資金を入金する
  • 適度なタイミングで損切りする
  • Lot数を増やしてポジションを持ちすぎない

ロスカットを防ぐ3つの方法について詳しく解説します。

多めの資金を入金する

ロスカットを防ぐために最も有効な方法が「資金を多めに入れておく」ということです。

証拠金維持率さえ一定以上の水準をキープしておけば強制ロスカットは発動しません。

入金額に対してギリギリのポジションを持つのではなく、必要証拠金よりも多い金額を入金しておくようにしましょう。

強制ロスカットを防ぐために安全な証拠金維持率は250%〜300%と言われています。

必要証拠金の3倍程度のお金は入金しておいた方がよいでしょう。

適度なタイミングで損切りする

ロスカットを未然に防ぐ基本的な方法が、適度に損切りするということです。

値下がりによって損失が生じたため、値上がりを待つ目的で持ち続けた結果、さらに値下がりして損失が大きくなってしまい、最終的にはロスカットになってしまうというケースはよくあります。

損失を出してしまったら、あまり深追いせずに適度なタイミングで損切りをすることが、損失拡大やロスカットを防ぐための常套手段です。

「〇〇%値下がりしたら損切りする」など、自分の中でのルールを決めて投資を行うのがよいでしょう。
「もう少し待っていれば上がるかもしれない」と思うものですが、ロスカットを防止するためには損切りするようにしましょう。

Lot数を増やしてポジションを持ちすぎない

ポジションを持ちすぎて多くのLot数字で取引するというのもロスカットのリスクが高くなります。
例えば、10万円の資金でドル/円(レートは1ドル100円)を買いポジションで購入した場合、限界のLot数は2Lot(2万通貨)です。

先ほどの計算と同じように計算すると、取引しているFX会社のロスカットの基準が、「証拠金維持率50%未満」であれば、レートが約3円落ちるだけでロスカットになってしまうことになります。
一方、購入したLot数が1Lotだけであればレートが約8円落ちるまではロスカットされないため、余裕を持って投資をすることができますし、何よりも強制ロスカットは簡単には発動しません。

ロスカットを防ぐための基本的な方法は、証拠金に対して余裕をもった投資を行うということです。
この方法として「証拠金を多く入れる」「Lot数を持ちすぎない」ことが有効ですので、投資金額と証拠金のバランスは常に意識しておくようにしましょう。

まとめ

ロスカットとはFXにおいて膨大な追証の支払いが生じないようにFX会社が設けている安全装置だと言えます。

FX会社が設定している証拠金維持率を下回ってしまうと、強制的に決済が行われ損失が確定します。

証拠金に余裕がないと少しの値動きでも強制的にロスカットされてしまいます。

長期的な取引を行うためにはロスカットを防ぐ必要があります。
ロスカットは

  • 証拠金に余裕を持たせる
  • ポジションを持ちすぎない
  • 適切に損切りする

という3つの配慮で避けることができます。

証拠金に余裕を持たせ、できる限り安全にFXトレードをするように心がけましょう。