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デイトレーディング・ガイド

リチャード・コックス trader
Updated 26 Nov 2020

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デイトレーディングとは、金融市場の原資産を非常に短い期間で売買することです(一回のトレーディングセッション以内に完了)。 その名の通り、デイトレーダーは各取引日の終了前に売買を完了します。 機会があれば、一日のうちに何度も高収益を目指して売買を完了させることもあります。

デイトレーディング戦略を成功に導く目的は、日中のトレンドを特徴づける小さな値動きを利用すること。ただし、テストを重ねた万端な戦略がないと、デイトレーディングには高いリスクが伴います。 デイトレーディングの原理を深く理解することが投資家には肝要である理由がこれです。 この記事では、デイトレーダーが日中のインターバルで特定資産の売買の決断を下す際に必要な要素を見ていきます。

トレードの選択と取引開始ポジション

デイトレーダーは様々な資産クラス(株式、FX、仮想通貨、オプション取引、コモディティなど)の日中のトレンドを利用して利益を出します。 トレードする原資産を選択する時(また取引を開始する時)、テストされた戦略の展望を基に開始し、要件をすべて満たした市場のシナリオを明確にする必要があります。 新米トレーダーは、絶えずアクティブなポジションをオープンにしておくことが利益を出す唯一の方法であると誤解しがちです。 しかし、「好機を逃すかもしれない」という考え方が予想だにしない結果に至ることがあり、不要な損失を生み出す結果にもつながります。

こういった理由から、トレーダーとして成功するには、常にしかるべき市場条件で始めて、市場が要件を満たすようになるまで待つ必要があります。 言うまでもなく、これにはかなりの忍耐が必要です。トレードの機会を多数失うことになることもあります。 しかし、逃した利益を追うのではなく、デイトレーダーは従来の市場の知恵を忘れないことが重要です。

「そこにいない方が良かったと思う市場ポジションにいるよりも、そのポジションにいたかったという市場にいないほうがまし。」

売買のタイミングを図る際に、デイトレーダーがどの市場要素が一番関連性が高いのかを定義するためには、3つの主要素を理解する必要があります。

トレーディング規模:トレーディングの規模は所定期間に原資産が売買された回数によって計測されます。 原資産を売買する際、デイトレーダーはポジションを決める前にトレーディング期間における日中の平均市場規模を監視することが多いようです。 取引量が多いということは、市場でその資産に対する関心が高いことを示し、値動きの新たな傾向を生み出すサインであることがあります。 価格変動に影響を与える際には、量の増加はプラスにもマイナスにもなることがあることを覚えておきましょう。 すべては大半の市場で見られる動き次第です。 ほとんどの投資家はブル傾向なのか、それともベア傾向なのか。 その答えが、相場の動向の次の方向を決定づけます。

流動性:流動性水準により、デイトレーダーは望ましい株価でポジションを開く、閉じることが可能になります。 例えば、売値(ビッド)と買値(アスク)の差が広がるので、低流動性水準を特徴とする市場では、スプレッドが広がる(取引コストが上がる)ことになる取引価値のスリッページを起こすことがよくあります。 デイトレーダーは処理中にわずかな利益が生じることを願って、一日のうちに複数のポジションにエントリーすることが多くなるでしょう。 このような小さな利益はコストによって目減りしてしまうと、デイトレーダーの総利益が大幅に下落することがあります。

価格ボラティリティ: ボラティリティとは、相場の評価が変動する潜在的な可能性を計ります。 ボラティリティにより、株価の高値と安値の開きがトレーダーに(一定期間)開示されます。 この株価の開きが、デイトレーダーによるポジションのパラメータを定義する際のトレーディング領域を生み出します。 一般ルールとして、ボラティリティが高いほど利益幅も大きくなる可能性を秘めていることになります(損失の可能性も大きくなる)。

現実的な利益目標を設定

デイトレーディングの戦略では、コンスタントに利益を上げるために毎回勝ち続けなければならないわけではありません。 実際に利益を出している多くのデイトレーダーは、ポジションで5割から6割程度成功しているだけです。トレーダーのポジションが5割だけの利益なのに、なぜ儲けが出るのでしょうか? 損益がとんとん(トータルゲインがゼロ)ということにはならないのでしょうか?

そうとは限りません。 デイトレーダーとしての成功へのコツは、負けトレードの損失よりも勝ちトレードの利益をもっと出すポジションを構築することです。 概して、損失可能性の3倍程度の利益を出すことがデイトレーダーの目標となります。 これらのパラメータが保持されていれば、ほとんどのポジションで負けていても、デイトレーダーは長期的には儲けを出すことが可能です。 デイトレーディングでは、株式市場におけるトレーディング領域とボラティリティを考慮した上で現実的な利益目標を設定する必要があることを覚えておきましょう。 取引リスクを取引アカウントのトータルから一定額以内に抑えておくことも肝要です(通常2%以内)。 こうしたルールから逸脱した取引は相場が予想外の展開を呈した際、大きな損失の原因となります。

デイトレーディングのテクニカル分析

  • 移動平均
  • ピボットポイント
  • ストキャスティクス・オシレーター
  • 平均方向性指数(ADX)
  • パラボリックSAR
  • トレンド分析

高確率の取引構成を見つける方法として、多数のこういったインジケータを一緒に使用することができます。 ただし、同時に3つ以上のテクニカル分析ツールを活用することは通常避けるべきと考えられています(株価の読みに矛盾点が生じることがあるため)。

市場ポジションの構造

特定のトレーディングルール(量、ボラティリティ、利益目標、ストップロス・エクスポージャーなど)が定義されたら、デイトレーダーは株価チャート、それと株式市場の現状を査定する必要があります。 一般的に、ポジションを保つための理由が市場の動きにより無効となった場合には、トレード終了が妙案と言えます。

例えば、前もって定義された価格帯のデイトレードは、その価格帯を逸脱したり、市場での取引が沈静化した際にはトレードを終了させることが必要です。 また、上昇傾向であっても、その勢いが終息し始めたらやはりトレードを終了すべきです。 例えば、価格が急上昇して、以前の上値抵抗線で動かなくなり始めた後は、その取引を終了すべきであると言えます。

ストップロス・オーダーとリミット・オーダー

トレーダーが「損失を制限」しなければならないということは、デイトレーダーがアクティブなポジションを開く時にはいつでもストップロス・オーダーかリミットオーダーが適切でなければならないということです。 それ以外の場合には、ストップロスはボラティリティが頂点に達した際の保護的役割を果たします。

予想外のニュースが取引動向に影響し始める場合、ストップロスの保護がないトレードは以前の損失を下回るばかりか、どの取引システムでも利益がなくなることがあります。 トレードが損失で終わって、楽しいはずがありません。 しかし、損失のポジションを見切り売りすることで、デイトレーダーは譲歩してどこかの市場でもっと良い取引の機会を見つけることができます。

リアルタイムのデイトレード例

相場をマスターするために、デイトレーダーが実現できるアプローチでも、それぞれリスクのポテンシャルと利益の可能性が存在します。従って、市場環境次第で適した戦略は異なります。 それでは次に、上級デイトレーダーがよく使う戦略を4つ紹介します。

スキャルピング:非常に良く使われるトレーディング戦略。ポジションに利益が出たらすぐにトレード完了という方法です。 スキャルピングは、ポジションに値動きがあったらすぐに手動でトレードを終了させるので、価格目標は非常に変動しやすくなっています。

上級スキャルパーは好ましくないモメンタムとみて、5分足チャートにより¥X,XXX.XXにて買いのポジションを取ります。 インジケータがRSIで売られ過ぎの領域に到達したら、スキャルピング・トレーダーは利益が出たものとしてポジションをクローズします。

モメンタム・トレーディング:日々の相場の動きで可視化されたトレンドを基にトレードを構築する手法です。 デイトレーダーはトレンドの方向性に有用性が高まっていることや、トレード規模も増えているというインジケータも出ているとなどのトレンドの動きに着目します。

次に、チャートのトレンドラインにおける展望を基にモメンタム・トレーディングの例を見ていきます。 上向きのトレンド線が出てきたため、上級のトレーダーは市場のモメンタムの変化に気付き、¥X,XXX.XXで原油を買います。

  • 利益目標は抵抗線に合わせて設定済みです(¥X,XXX.XX)。
  • リスクリワード比3倍なので、ストップロスは¥X,XXX.XXに設定します。

チャートで分かる通り、最終的な展望はトレードのモメンタムは価格トレンドラインに沿って上昇を続けます。 買いのトレードで利益が出た結果となりました。

上級デイトレーディングテクニック:ピボットと時価衰退期

時価衰退期:大規模な売買の後に原資産を売ったり、価格評価が著しく下がった際に原資産を買うことを意味します。 衰退期の戦略は拡張の進み過ぎた株式市場が平均により戻されるという推測に基づいたものです。 大多数が相場のモメンタムがポジションに反抗しているため、保守的なトレーダーはこのアプローチをリスクが高いものとして捉えます。

値幅ピボット:原資産の潜在的なボラティリティを基にトレード戦略を構築します。 デイトレーダーは毎日安値で買い、高値で売ることを試みます。 概して、日々のトレード領域を定義するサポートと抵抗線に基づいて利益目標とストップロスを設定します。

まとめ

  • デイトレーディングとは、金融市場の原資産を非常に短い期間で売買することです(一回のトレーディングセッション以内に完了)。
  • 機会があれば、一日のうちに何度も高収益を目指して売買を完了させることもあります。
  • 売買のタイミングを図る際に、デイトレーダーがどの市場要素が一番関連性が高いのかを定義するためには、3つの主要素を理解する必要があります。
  • デイトレーダーは通常、移動平均、ピボットポイント、ストキャスティクス・オシレーター、トレンド分析など様々なテクニカル分析ツールを活用します。
  • 相場をマスターするために、デイトレーダーが取ることのできる方法は色々あります。多くの上級デイトレーダーが活用する4つの戦略にはスキャルピング、衰退期戦略、値幅ピボット、モメンタム・トレーディングなどがあります。
  • ストップロスは市場でのボラティリティが急反落・急反発した際の保護の役目を果たし、デイトレーディングの戦略においては欠かせないものです。
  • トレーダーは、リスク許容パラメータが総額の2%を超えないようにし、またどのトレードであっても損失の3倍程度に利益目標を設定することが推奨されます。

記事監修者プロフィール
渡辺 智


某メガバンクに11年勤めておりプライベートバンカーなどをしていました。現在は保険会社に勤務をしております。投資歴は、投資信託、外貨預金、FX、株式などです。
ライター歴は5年です。分かりやすさをモットーに執筆しております。
【保有資格】
・FP1級
・日商簿記1級
・銀行関連資格(証券外務員内管など)
・証券アナリスト
【経験業務】
・プライベートバンカー
・資産運用コンサルティング(投資信託、保険、債券、外貨預金など)
・融資関係(アパートローン、中小企業融資)
・カードローン、クレジットカード営業
・新サービス企画(投資信託電話約定サービス)

リチャードは、金融市場で20年以上の経験があり、CNBC、NASDAQ、Economy Watch、Motley Fool、Wired Magazineで記事を執筆しています。