EMAクロスオーバー戦略

更新日: 14.02.2020

最もダイナミックなテクニカル指数を示したビットコインのチャートの一つである指数平滑移動平均線(EMA)には、トレンドに乗った株価では指標が上手く表示されますが、ビットコインの価格が整理中の場合は不正確なトレンドシグナルが表示されることもあります。

EMAについて覚えておくべきことは、毎回必ず機能するとは限らないことです。原資産の価格のトレンドは3割程度のみ該当することが多いと考えられています。すなわち、リスク管理がEMAクロスオーバー戦略での成功に重要な役割を演じることになります。EMAのようなトレード戦略を活用する際の目的はビットコインの価格が上昇傾向にある際、しかるべき利益を得ることにあります。

EMAクロスオーバー戦略

ビットコインの場合、EMAのようなトレンドをフォローする指標ではフラストレーションがたまることになった記憶がある方も多いと思います。トレンドのシグナルが出た時にトレードにエントリした後すぐに株価が意に反して下落を始めるなども、幾度となくあったことでしょう。このような傾向になる理由の一つは移動平均線ですが、それは概して時差のある指標であるためです。

トレンドは残念ながら平坦ではありません。トレンドは上昇することも下降することもあり、何度も激しい値動きが繰り返されます。

ビットコインのチャート

過去9カ月分のビットコインのチャート(上記)では、ビットコインの価格が固定されたり、横ばいになったりというトレンドを繰り返していることが分かります。事実、9カ月のうち半分近くでビットコインの価格が横ばいに(緑色の丸)なっていることが上のチャートに出ています。

指数平滑移動平均線とは何か?

指数平滑移動平均線とは、直近の株価により加重した移動平均線です。移動平均を加重することにより、より新しい情報に素早く反応するようにしたものです。EMAを計算するために使う方程式には単純な移動平均を変更するため掛け算を利用します。

移動平均の計算方法

一定期間(数日など)の平均を取ることで、簡単な移動平均を算出できます。翌日の数値が追加されたら、初日の数値は削除されます。原資産の長期的なトレンドを視覚的に表現するのが移動平均と言えます。より反応の速い移動平均線では見直し期間がが短く、見直し期間が長めの反応が遅い移動平均線と比べて値動きが激しく見えます。移動平均線はこの価格変動をみる指標であるため、遅延が生じるとみなされています。

指数平滑移動平均線はチャート作成ソフトにより計算されますが、舞台裏で何が起こっているのかを知っておくことは有用です。単純移動平均線が計算されたら、加重計算を行います。次に、現状の価格と加重平均に前期分のEMA値を比較して、各日のEMAが計算されます。

トレード・シグナルの生成

通常の移動平均線と比較してEMAを活用することは現状の価格変動により近いシグナルが得られる可能性が上がります。EMAは単純移動平均線(SMA)よりも先に変動するため、違った角度から相場を俯瞰することが可能になります。EMAを活用したトレード・シグナルを作成する時、理解しておくべきことはどれほど現状価格に加重したとしても、移動平均線が遅延の出る指標であることです。

移動平均線によりトレード総数を定義

自分にとって好ましい戦略を立てることが一番です。デイトレードでは、短期の一日移動平均線に加え、日中の移動平均線も加味する必要があるかもしれません。長期的なトレンドが必要なら、EMAを計算する際追加で数日また数週間まで拡張することも考えられます。

EMAクロスオーバー戦略

ビットコインのチャートでは5分~30分のEMAと20分~30分のEMAのオーバーレイが見られます。約6日間の30分足を活用する場合、7つのクロスオーバー買いシグナルに加え、9つのクロスオーバー下降シグナルが生成されます。この期間中、日中の価格変動に短期の下降トレンドが現在の相場の動向を表しています。

  • 9つの売りシグナルの8番目で利益が出たことが考えられ、そのうちのひとつ(緑色の丸で囲んだ赤い矢印)ではトレードに失敗した可能性が高いことが見受けられます。
  • 日中トレードが成功した理由としては、EMAが短期のトレンド予測に適しておりより大規模なトレンドが同方向に向かっているためであることが考えられます。

売りシグナルは下降トレンドとして機能します。チャート上で緑色の矢印で示された買いシグナルも機能する可能性がありますが、それぞれのトレードで得られる利益幅は小さいものとなります。

EMAクロスオーバー戦略

中期トレンドを捉えたい場合、移動平均線の期間を拡張します。

  • 20日EMAと50日EMAは一か月分と四半期のほとんどを表します。
  • 過去18か月間で、7つの売りシグナルと5つの買いシグナルが出ています。

2017年12月のビットコインの価格急騰のトレンドは下降です。2019年初期では底値に達したものと見えます。売りシグナルは下降トレンドではより利益が出る可能性と出ます。リスク管理の判断基準によると、7つのシグナルのうち6つで利益が出ていた可能性があります。

EMAクロスオーバー戦略

四半期に近い期間を示す50日EMAで現される長期EMAと、一年分に該当する200日EMAではクロスオーバー買いシグナルもクロスオーバー売りシグナルも発生しません。

  • 2018年4月と5月に売りサインが出ています。
  • 買いサインは2018年5月と2019年4月に出ています。

トレンドの定義

トレンドを決めるのはあなた自身です。長期的なトレンドは、あなたの強い味方となります。EMAクロスオーバートレード戦略を活用したトレードを希望する場合は、トレンドの向かう方向にトレードすべきです。

テクニカル分析では特定の原資産が移動平均線を下回る期間をトレンドと見る向きもあります。

EMAクロスオーバー戦略は、この中間点を定めるのに有効なツールです。ただしその性格上、既に起こったことを基にシグナルを得ることになります。トレンドとは価格変動が同じ方向に長期間変化しない値動きと定義することもできます。

株価が不動の際、また横ばいの時は、見てすぐそれと分かるトレンドは表示されません。トレンドが出るのは3割で、横ばいになるのが7割という理論もあります。

EMAクロスオーバー戦略によるリスク管理

市場がトレンドしている時に利益を出すことを目的としているため、リスク管理はEMAクロスオーバー戦略を活用した利益創出時に大きな役割を演じることになります。

ここで仮説を立ててみます。

  • 3割のトレンドに乗るには、\3分のリスクで\7分の儲けを出す必要があります。
  • 10回トレードして、毎回\7で3回勝った場合(\21)、トレードごとに\3分を7回のトレードで損失を出した場合は\21でとんとんです。

リスク管理を長期的なEMAトレード戦略を活用してトレードする場合はこの仮説を念頭に置いておく必要があります。勝つよりも負ける可能性の方が高いということも考えられますが、負けたトレードで出した損失よりも勝ったトレードで得た利益の方が大きい可能性もあるわけです。これが成功の法則です。

EMAクロスオーバー戦略

トレンドの中にはリスク管理を行うことによ、り市場で常にポジションをキープしなければならないトレード戦略となってしまうこともあります。

  • 例えば、2018年4月の赤矢印での売りサインで決済したとします。
  • ここで一度確定し、2018年5月の初旬の買いシグナルで逆転、その後2018年5月下旬の売りシグナルで再度逆転します。
  • 最初の二回のトレードは、ビットコインのトレードが横ばいだったので負けです。
  • 最初の二回のトレードは、ビットコインのトレードが横ばいだったので負けです。
  • 次のトレンドは大きく、レバレッジなしで40%の利益、価格は8,200から4,900に値動きし、その後逆転します。
  • 2019年7月中旬のビットコインは価格が回復しつつも買いポジションを続け、利益を逃すことになります。

また、異なるリスク管理を活用することもできます。トレンドが3割しか出ないという前提で\3損失するごとに\7勝たなければならないという見込みの場合、この数値を乗数換算します。これは\1ごとに\2.13と等価になります(\7/\3)。ポジションから10%分のロスというリスクパラメータでは、リワードを22%に設定する必要があります。

指数平滑移動平均線を活用した別のリスク管理で人気なのは、ストップロスを辿るという方法です。

上記のチャートはストップロスを辿るという方法を考慮した例となります。

EMAクロスオーバー戦略

上記のチャートはストップロスを辿るという方法を考慮した例となります。

  • 20日EMAが50日EMAを1,310に近い数値でクロスした赤い矢印の売りシグナルでエントリーします。
  • ビットコインの価格が利益範囲(1,310の22%なので1,022)に入った場合、トレンドを追跡を継続するためストップロスを下げることが可能になります。
  • なお、このような値動きをした時のみ、ストップロスを下げることを考慮すべきです。例えば、ビットコインの価格が上昇した日にクローズしてストップロスを上げることはしないはずです。

毎日ストップロスをアジャストしても良いことになります2018年のビットコインの終値が7,000なので、新しいストップロスは7,700となります。

トレンドに沿ってトレーディング

トレンドに沿ったトレードを行うということは、どのようなトレンドに乗るのかを定義する必要があります。短期的なトレンドの場合、一日のトレンドを評価する他、日中のトレンド・シグナルも考慮すべきと考えられます。

トレードの自動化

トレード戦略を完全自動化することも可能ですが、ビットコインのEMAクロスオーバー戦略では自由裁量を活用することも可能です。

自動化された戦略ではエキスパートアドバイザー(または類似したもの)に特定の基準を提供し、ご自身の戦略を取り込んだトレードを実行できます。この方法が好ましいオプションの場合、デモアカウントを使ってEMAをバックテストしてみることが最善の方法です。デモアカウントでは自分の戦略が機能するかどうかをデモマネーで行うため、実際の資金をリスクにさらす必要がありません。

これから分かることは、特定のリスク管理の基準に準拠する場合、この戦略が長期的に機能するものであることです。実際のトレードでも短期間の高値が相場で下落した時にエントリーするなどの経験により、短期的な損失につながることに気が付くかもしれません。達成すべきなのは、完全に手も足も出なくなるほどの損失でない限り特定の基準に準拠することです。

自由裁量の活用

自由裁量を活用したEMAクロスオーバー戦略トレードも可能です。トレンドを定義するにはモメンタムなどの基準を考慮する必要もあるかもしれません。自由裁量によるトレードは長期戦でのぞむことで、短期的なEMAクロスオーバー戦略の成功率を上げることにつながります。

まとめ

指数平滑移動平均線はとても有効な指標です。トレンドが始まった際、カスタマイズされた方法をユーザーに提供します。EMAは加重されており、単純移動平均線と比べて現在の株価により近い値動きに反応します。短期的なクロスオーバーシグナルの方が、同方向の長期的なトレンドの際にうまく機能します。

リスク管理はEMAクロスオーバー戦略が機能するか否かを定義するのに非常に重要な役割を演じます。理論上、トレンドは3割程度発生すると考えられているため、「日が照っている間に」利益を出す必要があります。

リスク管理が適切に機能するため、EMAクロスオーバーシグナルがデッドエンドでトレンド発生時に確固とした利益が得られる時期をオフセットしておくべきです。EMAクロスオーバー戦略が適切に機能するために取れるリスク管理の方法は複数あります。

EMAクロスオーバーを自動化することも、自由裁量を活用することもできます。戦略を自動化するつもりであれば、異なるEMAの時間軸をバックテストし、デモアカウントを使ってご自身のリスク管理の基準で機能するかどうかを確かめることがお勧めです。